再審弁護団はその特別抗告補充書第6に於いて、本件屍体に関す
る法医学的見解を述べている。その中で死後経過時間については、
『そのほとんどが限りなく遅くとも死後2日以内であることを示し
ている』と結論付けている。そのような断定が全くの誤りである事
をこの「補充書第6」に即して記述する。
まず、この補充書を良く読むと、一般に屍体が土中に在った場合
に於ける現象経過に関する知識が全く無いか、或いは故意に無視し
ているものと思われる記述が見受けられる。法医学的見解を述べた
結論部分である「すべてのまとめ」に『本件死体は土中に埋められ
たものが発見されたのであるが、土中にあったことが「死体現象」
にどのような影響を及ぼすのか詳らかには不明であるが、たとえ保
存的に作用するとしても、各死体現象が物語る死後経過時間を24
時間も左右するものではあり得ない』と記述されている事がそれで
ある。
土中にあった事が屍体現象にどのような影響を及ぼすのか詳らか
には『不明』どころか、土中での腐敗進行速度については、
地下:水中:空気中=1:2:8の順で空気中より遅くなることは
「法則」でありこれをCasperの法則と言う。
例えば土中への屍体埋没が55時間であったとすると、実際の腐敗
進行速度はその8分の1=7時間弱である。従って『たとえ保存的
に作用するとしても、各死体現象が物語る死後経過時間を24時間
も左右するものではあり得ない』事は、全くあり得ないのである。
*Casperの法則は腐敗進行速度への影響を述べたもので屍体現象全部に
ついて適用されるものでは無いが)
このような認識でもって書かれた本補充書の、では個々の屍体現
象解釈について、以下で検討して見る。なお、以下に於ける記述は
この「補充書」に対して、可也徹底的な批判になっている。しかし
勿論、筆者(=小生)が、「狭山事件の再審を開始させる」=「石
川さんは無罪である」と言う、弁護団と、その目的は同じくしてい
る事を、一応ここに付記しておきます。
なお、石川さん無罪の法医学的考察として、当サイト内に「法医学的考察2→両面死斑ー石川さん無罪の絶対的論証」を執筆してありますので、是非そちらも参照して下さい。 |