当サイトに於いてはトップ頁にも記している如く、石川一雄氏が無罪である事は初めから自明の理としてある。その論拠については今迄にも多くの公刊書籍やサイト群に於いて論証されて来ており、当サイト制作時には実際、その事(無罪である事)は自明の理と言ってよく、更には、そうでなければ当サイトの存在自体が不要だ。
よって、今迄は無罪の論拠はそれらの書籍若しくは当サイトからリンクしてある他サイトの記述を参照して頂く事として来たが、ここで出来るだけ簡潔に、法医学的事実から見た無罪の絶対的論証を記す。
*確定判決の要旨
確定判決の中から、この論証に必要な箇所を抜粋要約したものを掲げて見よう。まず、確定判決が主張する本件犯行様態及び時系列はおおよそ下記の如く。
15:50
X交差点で被害者と出会う。
16:00
被害者を殺害。
殺害後、現場で予て用意の脅迫状を訂正。
16:20〜30
雨が本降りとなる。殺害現場付近の建築現場から荒縄、細引き 紐等を窃盗。
18:30
遺体を芋穴に移動、逆さ吊りにして一時隠蔽する。
その後、鞄、教科書などの被害者所有物を遺棄しつつ、被害者
宅に向け出発。
19:30
被害者宅に脅迫状と自転車を届ける。
21:00
遺体を芋穴から引き上げ、所定の穴を掘削してうつ伏せに埋没
上記を前提として確定判決では要約次の如し。参照・確定判決
五十嵐鑑定人は当審(第五四回)において、一たん生じた死斑が、その後の死体の体位転換によって消失せずに残存するためには、四時間ないし六時間以上の時間の経過が必要であるといっており(中略)まず、五十嵐、上田両鑑定によれば、死体の背部に死斑が存することは明らかな事実である。そして被告人は、芋穴に吊るすまで死体をあお向けの状態にして置いたといっていること、死体を芋穴に吊るした時刻は、殺害時刻や脅迫状をN方へ届けた時刻を基準とすればおおよそ午後六時半ころとみるのが相当で、したがってこの間死体をあお向けの状態にして置いた時間はおおよそ一時間半ないし二時間半となり、この時間経過は右の鑑定人らがいう一般に死斑が生ずるために要する三時間ないし四時間や一たん生じた死斑がその後の死体の体位転換によって消失することなく残存するために要する四時間ないし六時間のいずれにも及ばない短い時間であることは、所論のとおりである。しかし、検察官がいうように、芋穴の中で死体があお向けの状態であったとすれば、殺害時刻を午後四時半ころとみて、原判示のように午後九時ころ農道に掘った穴に死体をうつ伏せに埋め直した時まで約四時間半位あお向けの状態であったことになり、死斑の状況と被告人のいう死体処理の方法とは一致することになる。(強調赤文字は筆者注)
*確定判決を覆す科学的考察
周知の通り被害者の遺体には身体前面と背中、両面に死斑があった。次に、法医学上一般に認められている死斑の形成機序について
他頁とも重複するがもう一度取り上げておこう。
死後2ー3時間で発現
7ー8時間で定着(体位変化をしても消失しない)
12時間を超えると停止(それ以上死斑が出来ない)
死斑は、死後心臓による血液循環が停止する為、重力の作用によって死体の下側になった部分に血液が下がる事により(この現象を血液就下と言う)発現する。死後4、5時間では体位変更により、一度出来た死斑は消失し、新たに下側になった部位に移動する。しかし、死斑発現後7時間以上を経過した後の体位変更では、一度出来上がった死斑は移動せずに残り、更に新たな死斑が体位変更後の死体下側にも発現する(両面死斑となる)。
ほとんどの法医学者が死斑について上記の見解であるが、中には
定着について「死後6時間乃至8時間を要する」と言う意見も見られる。そこで、敢えて確定判決に有利なように、死斑定着時間はここでは「死後6時間」として考察して見よう。
上青字引用(要約)の確定判決での死斑解釈と事件時系列から計算すると、
殺害=16:00
埋没=21:00
となり、この間の時間経過は5時間で、判決に有利なように採用した先の死斑定着「死後6時間」にも及ばない事が明らかである。つまり、仮に殺害から埋没までの5時間、ずっと死体が仰向けになっていたとしても、5時間しか経っていないのであるから、その後うつ伏せにして穴に埋めた後は、身体背面に出来た死斑は消失してしまい、穴に埋没した後で発生する身体前面の死斑だけが残っているのでなければならない。
この点、上記赤字で記した箇所を検討するに「五十嵐鑑定人」が「一たん生じた死斑が、その後の死体の体位転換によって消失せずに残存するためには、四時間ないし六時間以上の時間の経過が必要であるといってお」るのを根拠に、まず一般的な死斑論を構築しているが、これは明らかに五十嵐鑑定人の誤りであって、死斑が消失せずに残存するためには少なくとも「死後6時間」以上の経過が必要と見るべきである。
そしてこの、可成り判決に有利になるように敢えて採用した「死後6時間」でさえも、判決文の指摘する犯行様態では、両面死斑は生成されない事は明らかである(しかも上記では殺害時刻を16時ジャストとして、更に確定判決に有利なように設定してある。それでもまだ両面死斑形成に要する時間が不足する)。
重ねて記せば、「四時間ないし六時間」の経過で一旦生じた死斑が残存すると言う記述は全くの誤りであり、現在の法医学的知見では死斑残存には最低7時間、敢えて最大限に少なく見積もっても最低6時間以上の経過が必要となる。
*更に芋穴逆さ吊り
尚且つ、確定判決によると、殺害から埋没までの間、18時半から21時前頃にわたって約2時間〜2時間半の間、遺体を芋穴に逆さ吊りしてあった事になっているが、この芋穴内での遺体の体勢を考えれば、ますます死斑が背中面に残る為の時間経過が無くなると言う事になる。
これをクリアーするために検察側は、芋穴に遺体を入れた際、遺体が背中を下にして丁度芋穴の底に水平に横たわる格好になったと推測し、この体勢も「仰向け」時間に参入し、両面死斑が可能であったとしているが、仮にその説が可能だとしても、上記のように、両面死斑生成に要する時間にはまだ足りない。
まして芋穴に被害者の遺体の背中が横たわり、脚部は上方につられた体勢を2時間継続していたとしても、これも周知の様に被害者の足首には、そのようにして吊るされた時に自身の体重によって生ずる痕跡は何も無かった。
*結論ー石川無罪
被害者の遺体に現れた「死斑」が、このように絶対的・決定的に石川さんの無罪を証明している。これは他の解釈や可能性は全く入る余地の無い、文字通り絶対的な事実である。
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