長兄説(単独犯)

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事件概要
近況告知板
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1、動機
=近親相姦で痴情のもつれ。兄妹仲が悪かったとしても、愛憎入り交じる男女関係というものはあり得ると思う。ふとした過ちで肉体関係を持ってしまった妹(種違いかも知れない)この関係の清算で心理的に追い詰められた結果殺意さえ抱くようになっての計画的犯行。

2、脅迫状
=当時は既出のように、ヨシノブちゃん誘拐で世論が盛り上がっている。そこでおのれの犯行を身代金目的誘拐事件に見せ掛けることを思いついても、なんら不思議はない。そしてこの脅迫状発見のあり方が、小生がどうしても長兄不審に陥る理由。その点は複数犯説でも同様であろうと思う。長兄が帰宅後の僅か10分後に犯人が自転車を届け、なお且つスリガラス戸に手紙を差し込んでいて誰にも目撃されなかったのはどう見てもおかしい。長兄の自作自演ならば全てがよろしくなる。

3、被害者の行動5月1日
  3:23頃 学校を出(級友二人の証言)
        ↓
  3:50頃 この間、ガード下等で3名の目撃者
        「誰かを待っているのかなと思った」
  
  長兄の行動(自称)
  午後は登美恵と共に農作業(登美恵しか証言者はいない)
  6:50頃〜1強い雨だったので車で妹を迎えに言った。
        2学校には既にいなかった
         (用務員に会っている)
  7:30  3帰宅して納屋に車を入れた
        4玄関を入ったところの土間で食事をした
         家族は座敷で食事をしていた
  7:40  5ふと見ると、ガラス戸に白いものが差し
         込んであったので
         末の弟に取らせて見ると脅迫状だった
        6すぐに警察にとどけるべく車で出かけよ
         うとしたところ、車のすぐ横には善枝の
         自転車があった
  7:55  7駐在所に父と共につき、届けを出す。

4、アリバイ
=6:50以前のアリバイは不確かである。一方被害者はほぼ4時以降、どこかでトマトを含む食事をし、性交をした。つまり長兄の4時〜7時半迄の行動が問題。長兄の同時刻でのアリバイは不可。登美恵以外に証言者はなくそして登美恵は自殺している。

5、佐野屋
=長兄が登美恵を送り、その後抜け出て現場に行くという早業と、声を知られていることの困難さが指摘されている。この点については、抜け出し→当事者として、何か用事をつくろって出かけることは可能と思う。声→つくり声を発することは可能と思う。

*長兄が声を知られている事の疑問について。

 小生は声というものはその声を発した闇の中にいる者が「誰」であるかを特定するのには、決定的な論拠にならないとおもう。野外で聴く声、それも相手の顔が見えない場合に聴く声、かなり距離のあるところからの大声、これは家族であってもなかなかそれがすぐには家族であると特定できないことがある。
 そしてその際の「家族」は姉(長兄の妹)であったこと。
小生はこの姉が「共犯」とは言わないがかなりな程度、実の兄をかばったのではと。結果的には幇助のような立場に追い込まれていたのでは、と見る。そのことが自殺につながっているのではと。
 2-198には、
 >佐野屋で姉と犯人はおおよそ25mほど離れていた。
  誰かと25m離れて会話すると、それこそ円滑には会話はでき
  ない、大声で呼びかける掛け合いになる。
  これは事件直後に新聞記者有志らで実験さえされている。
  犯人は最初おーいおーいと言ってるだろ。
  大声であるから至近距離のように声の分析はしにくい。

 ともある。

 そして佐野屋は確かに危険な賭だが、どうしても動機を誤魔化し捜査の方向を誤らせる為には必要不可欠であった。この点は複数犯行説に立っても同様だろう。

6、変死者
=基本的には自殺或いは事故と考える。殺害は真犯人にとって危険だろう。多くの犯行を犯せば、それだけ多くの証拠を残すことになるし、そうなるとやはり今日までに必ずもっと多くの事実が明るみに出てくるものと思う。
 
 ※OG(5月6日死亡)=元中田家作男、新築中家近くで犯行
  使用と思われるスコップが発見された。当然警察の取り調べ
  を受けていたと思われ、それを苦に自殺。小さい地域の中で
  顔見知りの女子高生を強姦殺人の疑いをかけられると言うの
  は、相当に酷な出来事であろう。気が弱かったと言われる人
  物である。
 ※TN(5月11日死亡)=3人の不審者を目撃したがかえっ
  て疑われ、激しい憤りと落胆の末自殺。その心のうちは、ナ
  イフで胸をつらぬくという、過激な死に様にも見て取れる。
 ※登美恵(翌年7月14日死亡)=石川氏には死刑判決の一方
  うすうすあるいはハッキリと、長兄が真犯人であることを察
  知。苦悩の末に自殺。遺書があったと言うが、その内容は公
  表されていない。
 ※Iとりぞう(昭41年10月24日死亡)=轢死。う〜んこ
  の理由はワカラヌ。
 ※中田次男(昭52年10月4日死亡)=おそらく登美恵と同
  様な動機で自殺。あるいは、全くべつの動機=事件と無関係
  かも知れないが。

*変死者をどう捉えるかについて。

 本件変死者を共犯者若しくはかなりな程度の関係者と見、それらを始末、口封じをしたと見るのか、そうではなくそれらの自殺あるいは事故が結果として事件を複雑に見せていると見るかで立場と推理が違ってくると。小生は後者なのであり、それでもかなり毛色が違っている存在が姉なのだと見る。
 どうしても、それだけ多人数な共犯関係を結べば、ボロが出てしまう、と。現にそれらの変死者たちを共犯関係と見る立場からは、まさにそれらの「自殺」「事故死」等がボロとなって、巷間言われているような推理が成り立つことになっている。共犯関係を結んでこの事件を引き起こすことそのものが、「声」よりも他のなによりも「危険」な賭になると。

 単独、複数、について考えた時、どうしても「共犯は危険」との考えが出て来ることをおさえ切れないでいる。誰かがどこかで、1人でもへまをしたら、或いは心変わりしたら、たいへんな危険を招
いてしまう。
 そこで、そのような危険を招く或いは招いたからこそ、そいつを葬ったのだとしても、その葬ることそのものがまた、危険な行為になるのではあるまいか、と。

7、証拠品
=かばん、万年筆、時計の発見のされ方が周知の通りに変である。特に万年筆に至っては、明らかになんらかの工作がなされたものと言わざるを得ない。これらは石川氏を犯人にするための警察のでっち上げであろう。それを本人のものだと証言した長兄の言は、もちろん警察に迎合してのもの。

反 証

 単独・複数犯及び長兄に限らず身内犯行説への反証は以下。

1=事件発覚時刻は公式発表通りでは無かった可能性が極めて高い。即ち遅くとも1日午後6時迄には既に警察に通報されていた(→参照=基礎事実の検討→事件発覚時刻について)。
長兄含む身内犯行説を取る場合、身内である者が敢て早い時刻に事件を発覚させ尚且つ通報させる必然性は極めて低い。何故ならその分、警察の捜査は早くから開始される訳でありそうなれば後々の犯行計画遂行には不利な状況を自ら作り出す事になるからである。
また、この早い時刻での通報が電話を使用してのものと想定するならば増々、声を家族に知られている身内がその様な手段を使う事は考えにくい。
 
2=屍体埋没状況には身内犯行を臭わせる状況も見受けられたが(→参照「屍体埋没」)もし身内に犯人が存在し、且つ計画的犯行であったのであれば、却ってその様に身内犯を彷佛とさせる痕跡などは残さなかったと想定出来る。

 他にも様々な反証は考えられるが、筆者としては長兄説及び身内犯行説への最も強力な反証と考える。

長兄説は殿岡駿星『犯人「狭山事件」より』など多くの著作者が述べて来た処のもの。その焦点はやはり、脅迫状と自転車の特異な発見状況にある。
殿岡説では動機の面で、突発的な殺害を描いている。が、本件全体に見られる用意周到な偽装工作の痕跡から、突発的に起こった事件との殿岡説は困難との見方が多い。
ここでは、その点を「追い詰められた心理の中で、十分計画的に実施された犯行」として提示した。

しかしその後、
「既に警察は午後6時台に初動捜査を開始していた」との証言を重視して、長兄疑惑の最大の元であった脅迫状と自転車の発見疑惑をひとまず解消し、次の「黒幕説」への論考となった。

  長兄説の第一人者、殿岡駿星氏の「狭山事件の真犯人」

    現在絶版となった『犯人「狭山事件」より』に新推理も
    交えての出版。石川さんの無実を証明し、真犯人を追求
    した執念の一冊。                 

狭山事件参考書
◆長兄説◆
◆黒幕説◆
◆屍体埋没◆
◆怨恨説◆
黒幕説補稿
異説 紛々
◇狂言誘拐説◇
長兄の手記
電話の証言
法医考察1
法医考察2
法医考察3
法医問題の決着
基礎事実の検討1
基礎事実の検討2
現地調査写真
現地調査写真2
2004年実況見分
実況見分考察
2005年現地見分
2006年現地見分
2007年現地見分
狭山事件関連書籍
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